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行政マンの地域猫講座

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p-8 褒めるな、怒るな、叱るな。

 地域猫の国で、猫の擁護ボランティアネットワーク作りを願う養育福祉大臣が視察にでかけました。町会の自治組織や地域行政などと上手に地域猫対策をすすめる、猫の擁護ボランティアさんが迎えました。
 大臣は大勢の支援者を前に挨拶をします。「困難といわれる地域猫対策恊働事業推進の、まさにお手本ともいえる市民ボランティアの○○さんのご活躍は素晴らしいです。後ほど体験談を賜ります・・・」などと話しました。

 地域猫対策ボランティアの原則に「目立たず、邪魔にならず、指示通り。」「できることを、できる範囲で、決して無理をしないで。」などがある、ということを耳にします。地域猫対策が野良猫擁護活動の無償奉仕の下請負ではないにも関わらず、無理難問が日常的に身に降りかかり、不平不満をつもらせないための方法ともいわれます。

 大臣に大勢の前で高く評価されたボランティアさんにはその後、猫擁護派のみならず、野良猫迷惑派からもたくさんの猫対策の依頼が届き「無理」を強いられます。
 できる範囲で、こつこつと地道に目立たず参加しているそのほか大勢のボランティアさんは「役所と恊働してもワタシは評価されないのなら控えましょう。」・・・、そこに壁が見え始めます。
 無理を強いられると助けを求めますが、同じ時期から大勢の方々は行動を控えますので助けに応じられません。やがて小さな対立が生まれ、決裂に向かいます。

 官民恊働事業をすすめる地域猫の国の役人が、怒り憤りなどを市民の前であからさまにすることは論外ですが、どなたかを褒める場合でも大勢の前では善し悪しです。褒めなければならないのでしたら、個別のお話し合いでも、存分に的確に伝えられます。

 地域猫対策の現場の役人は、感情を抑えながら怒っても、穏やかに叱っても、名指しで褒めても、市民の間の公平な公益性が簡単に壊れます。地域猫の国の役人は、すべての国民から頼りにされているのです。(初稿・'13.5)



[コラム] 地域猫対策に実績のある自治体には、多くの市民からさまざまな問い合わせや依頼が寄せられますが、長年の実績を数分の応対でゼロにしてしまうことがあります。
 原則として地域猫対策では「致死処分の措置」を封印し、そのほかの方法を対策とします。そのような理念を元に、数頭の猫対策を他の自治体に相談した地域猫対策の精鋭ボランティアリーダーに役人が応対しました。「当自治体では長年の体験から行うべき打つ手は打ちました。あなたは殺したくないといわれるが、現実的に何ができるでしょう?致死処分も方法のうちでは?」
 お説教されて叱られた・・・、と受け止めたボランティアリーダーの、この役所に対する評価は一気にマイナスへ・・・。

地域猫の国もくじ
p-1 はじめに 初稿'13.3.22up
p-2 地域猫の現場とは? 初稿'13.3.22up
p-3 地域猫、はじまりのとき… 初稿'13.3.23up
p-4 地域猫 管理統制方式の危うさ!! 初稿'13.3.25up
p-5 便宜供与?と民業圧迫?とは? 初稿'13.3.28up
p-6 地域猫ネットワークを目指す裏側事情 初稿'13.4.5up
p-7 ペットといわないで!! 初稿'13.4.15up
p-8 褒めるな、怒るな、叱るな。 初稿'13.5.9up

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