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行政マンの地域猫講座

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p-4 地域猫管理統制方式の危うさ!!

 「地域猫の国・養育福祉大臣」が推す地域猫対策の、通称「野良猫の適切な保護管理方式」に潜む危うさを探ります。先ず一番に「不適切な管理」の場合には地域猫対策を成立させられるのでしょうか?という疑問が生まれます。十数年前の地域猫官僚の多くは「このような事業はできる訳がない」と思っていましたが、実際にはこつこつと市民権を得続けて浸透しました。

 言葉が先行く気運の中、「街が飼い主・地域猫(1999年読売新聞記事)」が世に伝えられます。イメージだけでも悪くはない。やがて中身を整えることが必ずできる。・・・との思いを進める野良猫軍団が「地域猫」を旗印に掲げ、当時流行りはじめたウエブを武器に蜂起します。発足時は「地域猫で、餌やりを公認に!」のスローガンもありましたが、次第に「野良猫の適切な管理」に変わります。

 養育福祉大臣の「適切な保護管理」の求めに対して、「野良猫の不適切な養育」を恐れた国土美化大臣や商業活性化大臣など、反対派勢力の圧力も見え始めます。
 このような事態は、地域猫の国に限らず人間の国家でも同じです。保健所は地域猫対策をすすめたいのに、公園課に拒否される事態や、役所の繁殖制限手術費用助成計画について、一部の実業家勢力などから横やりの入ったこともあります。

 法制局から苦言を呈される恐れもふくらみます。野良猫について「完璧に管理統制をし、適切に保護管理する」ことを施策にするときの根拠になる直接的な法制度が、地域猫の国には未だ無い。従って、養育福祉大臣の要求に、事業の主体となる地域コミュニティが応じないとき、役人の職務権限だけでは施策を実行できない恐れがある。分かりにくいのですが、役人は法の執行官ですから、法にないことは行えませんし、法にあることを行わないとき「行政不作為」といわれます。早い話しが、「役人の行えない、野良猫の保護管理を、どうして街に強制するのか?」。「猫が邪魔者」勢力側にそのことを強く責められるとき、あなたの国の役人はどのような返し方ができるのでしょうか?収容・排除も公共サービスのうち、などと返す役人の市町がもしあったとしたら、そこではすべての市民が不幸を感じます。

 「生態の繰り返しを、猫の身分を超えて支配・統治する」などの考えのもと、地域力恊働大臣の推す「街がプログラムし実行する」方式の地域猫対策への評価がすすむ訳がここにあると思われるのです。(初稿・'13.3)



[コラム]地域猫対策などのできる訳が無いといわれながら、飼い主のいない猫対策プロジェクト担当になってしまった役人がいました。当時は未だTNRなどの言葉は知られていませんが、野良猫への繁殖制限手術ボランティアさんは密かに大勢活動していましたので、用紙を作って野良猫対策アンケート調査を行い、約200の地域や個人から回答を得られました。この結果を役所に報告したところ、腹をくくった担当役人が力を発揮し、役所・住民・ボランティア・三者恊働の原型となる、役所認定の通称・地域猫対策エリア20箇所が成立しました。(2006年東京都発行「飼い主のいない猫」との共生をめざす街ガイドブックはこの事例を元に作られ、現在も使われています。)


地域猫の国もくじ
p-1 はじめに 初稿'13.3.22up
p-2 地域猫の現場とは? 初稿'13.3.22up
p-3 地域猫、はじまりのとき… 初稿'13.3.23up
p-4 地域猫 管理統制方式の危うさ!! 初稿'13.3.25up
p-5 便宜供与?と民業圧迫?とは? 初稿'13.3.28up
p-6 地域猫ネットワークを目指す裏側事情 初稿'13.4.5up
p-7 ペットといわないで!! 初稿'13.4.15up
p-8 褒めるな、怒るな、叱るな。 初稿'13.5.9up

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