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行政マンの地域猫講座

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p-6 地域猫ネットワークを目指す裏側事情

 地域猫の国、養育福祉大臣が推す「小さな命の擁護活動」は、国のすべてに係る公共・公益サービスと異なるのではないか?などの疑問や「猫好きによる、猫を可愛がるネットワーク」などの決めつけが生まれます。しかし地域猫の国の官僚は、野良猫問題や動物と人との適切な関係づくりなどについて、「地域猫対策の推進」における有効性を理解しています。この国には未だ「野良猫擁護」活動の根拠になる直接的な法律がありません。そのため、地域猫対策の実行は地方自治の裁量に委ねられます。

 市区町村の役人がおちいり易い、猫擁護事業の下請けネットワーク作り。

 例えば…「街作り担当行政マン」は、造成や植樹・建築などを入札などで事業者に任せ、役人が工事をしません。役人は地域猫対策にこの仕組みをあてはめようとするのですが、営利の請け手業種がないので、良く似た勢力分野に目が向きます。ひと括りでいわれることの多い「猫擁護のボランティアさん」です。(以下、擁護ボラさんとさせていただきます。)
 擁護ボラさんの多くは「野良猫に餌やるないじめ」や「野良猫を外で飼うないじめ」「同・家に連れ帰りなさいいじめ」などを経験しています。このようなときに役所の「小さな命の擁護活動」に、擁護ボラさんも進んで参加します。しかし役所は関係する多くの市民に対して、完全無償奉仕の地域自治活動、などの見識をはっきり伝えません。地域の自治組織(町内会・管理組合ほか)や擁護ボラさんに上手に手際よくそれらの事柄を伝えて、理解を得られ続けている役所の地域猫対策は、やがて該当地域に根付きますが、そのような事例が多くはありません。

 役所には「子猫が捨てられている。」「猫30頭の飼い主が亡くなった。」「野良猫の迷惑被害をなくして!」などさまざまな要請が入ります。擁護ボラさんの参加を募る役所は、「駆除・排除・処分」を封印します。そのため譲渡・保護・TNRなどを執行することになりますが、地域の役所にはそのようなセクションもありませんし、請け負い業者制度もありません。役所は安易に、無償奉仕の擁護ボラさんのネットワーク作りにおちいります。…と同時に、擁護ボラさんから悲痛なうめき声がもれ始め、やがて辛苦の叫びが広がることになります。

 役所がネットワーク作りを考えるのでしたら、「邪魔者扱いされる野良猫と共に住まわされている。」などと感じている、擁護ボラさんと反対側の立場とのバランスを保ちながら進められるとき、地域猫対策の成立に近付きます。人と人同士の絆づくりについては多くの人々が理解しますが、動物と共にいる人同士や、その他の人とも関わる絆づくりはささいなことでもくずれますし、敵対関係が起こるからです。(初稿・'13.4)

地域猫の国もくじ
p-1 はじめに 初稿'13.3.22up
p-2 地域猫の現場とは? 初稿'13.3.22up
p-3 地域猫、はじまりのとき… 初稿'13.3.23up
p-4 地域猫 管理統制方式の危うさ!! 初稿'13.3.25up
p-5 便宜供与?と民業圧迫?とは? 初稿'13.3.28up
p-6 地域猫ネットワークを目指す裏側事情 初稿'13.4.5up
p-7 ペットといわないで!! 初稿'13.4.15up
p-8 褒めるな、怒るな、叱るな。 初稿'13.5.9up
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