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行政マンの地域猫講座

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p-3 地域猫、はじまりのとき・・・

 地域猫対策のはじまりのとき、そのきっかけは正反対の二つに分かれます。比較的多いのが、思いをかけられている野良猫側の立場から心を動かされるとき。なかなか実を結びにくいのは、「邪魔者扱いされる野良猫と共に住まわされている。」などと感じる側の立場がきっかけのとき。邪魔者扱い側の勢力をうっかり見逃すと、地域猫対策の進む道が大きく分かれ、取り返しのつかなくなることがあります。例えば法を超えた条例を作ってしまい、執行はもちろん、適用すらできなくなり、「条例などなかった方がよかった」…、ではあとのまつりです。

 地域猫対策のきっかけづくりでも、前ページの二つの現場の意味がさらに明らかになります。地域猫の国の養育福祉大臣がすすめる「適切な保護管理」の現場と、同じく地域力協働大臣のすすめる「地域環境保全プログラム実行の現場」の二つです。この二つの現場に折り合いを付けられる技術を持つ役人はそれほど多くいませんから、収容後の駆除や排除の考えが、役人や町会幹事さんの頭に浮かんでしまうことがあります。そのような事態を避ける目的も有り、猫の住む街が主体になって、地域猫対策をすすめる仕組みに注目が集まり、際立つことになります。

 2003年頃、トラップ・ニューター・リターン、T・N・R、捕獲・手術・返還という耳に心地よいセンテンスが、ウエブで海外から伝わりました。『フロリダ州にある大学の構内で、115頭の猫に11年に渡って、包括的長期的にT・N・Rを行った結果、2002年に23頭になった。』ことなどが公開されました。
 釣った魚を水に放す時のRereaseリリース(またはカメラのシャッターのレリーズ)とよく似ているので、近年は併用されはじめていますが、捕獲した所と違う場所に解放するとき、愛護動物遺棄犯罪を問われる恐れにご注意が必要です。また、リリースは水辺の生き物をフィッシングスポーツで使い回すときに、その個体への影響について問題視されることもあります。
 リターン、つまり「元の場所に戻す」という条件のもとでしたら、「戻される街が主体になる活動」になり易く、官民協働事業という上でも筋が通ります。
 「きっかけ」をうっかり見逃さないようにして、「邪魔者側」も「野良猫側」も、共に目的を同じにできる関係づくりがすすめられています。(初稿・'13.3)



[コラム]筋金入りのこわもての双方が、猫を殺す程の邪魔者扱い側と、野良猫に思いをかける側にきっちり分かれて、日々対立を深めるコミュニティでしたが改善しました。「地域環境保全プログラム実行の現場」で、何度か修羅場を経ている者たちが介在し、野良猫にかける思いを敢えて避けながら、お酒でも酌み交わそうか?などと考えたところ、「猫が居て困るのなら目的は同じ」ことに、お互いの思いを落ち着かせることができました。役所、住民自治組織、ボランティア、三者協働の地域猫対策が根付きました。


地域猫の国もくじ
p-1 はじめに 初稿'13.3.22up
p-2 地域猫の現場とは初稿'13.3.22up
p-3 地域猫、はじまりのとき… 初稿'13.3.23up
p-4 地域猫 管理統制方式の危うさ!! 初稿'13.3.25up
p-5 便宜供与?と民業圧迫?とは? 初稿'13.3.28up
p-6 地域猫ネットワークを目指す裏側事情 初稿'13.4.5up
p-7 ペットといわないで!! 初稿'13.4.15up
p-8 褒めるな、怒るな、叱るな。 初稿'13.5.9up

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