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「人とペットの共生を考える国際シンポジウム 2002」
An Invitation to
"The International Symposium for the Symbiotic Relationship
Between Human and Animals 2002"

ご挨拶

謹啓 晩夏のみぎり、皆様には益々ご健勝でご活躍のことと拝察いたします。
 さて、関係各位のご協力を得て、本年も「人とペットの共生を考える国際シンポジウム」の開催をいたす運びとなりました。
 近年の日本においては、ペットブームが言われて久しく、その代表格である犬と猫に限定しても約1800万頭が飼われています。これは単純計算すると2.5軒あたりにつき1軒の割合で、犬か猫がいるという大変な数字です。のみならず、ペットは、いまや文字通りの愛玩動物ではなく、心の通い合う人生の伴侶、家族の一員、よき友として共に暮らすという意識が飼い主の間に定着しつつあります。
 他方、わが国の社会は、今もってペットに対して閉鎖的です。身体障害者補助犬法がようやく制定され、今後、補助犬の社会への受け入れを進めようという現状では、ペットを含め動物全体の受け入れや人と動物の共生の社会システム全体は、まだまだ未整備であると言わざるを得えません。この現状は、特に人口の集中する大都市ほど顕著であり、ペットを含め動物を事実上締め出していると言っても過言ではありません。そのような状態が、人の生活や人の心にさまざまなマイナスの影響を与えることは、欧米の研究者によって明らかにされています。わが国でも、最近、この問題への関心が急速に高まっています。
 ドイツでは先般、日本の憲法に相当する基本法が改正され、憲法秩序の枠内で、立法・行政・司法を通じ、人の生存基盤である自然環境に加え、動物を保護することが将来の世代に対する国の責務であるとされるに至りました。形にさまざまな違いはあるせよ、欧米の多くの国では、人と動物の共生のあり方が真剣に考えられ、その成果はあらゆる機会を捉えて社会システムに取り入れられています。わが国との差は歴然としています。
 シンポジウム第1回目の昨年は、欧米の動物愛護に係る代表的な方にお集まりいただき、動物愛護という視点から人とペットの共生のあり方を考え、重要な提案がなされました。シンポジウム第2回目にあたる今年は、欧米で動物行政に係る重要な役割を果たしている方にお集まりいただき、行政の視点から、人とペットの共生について議論していただきます。人とペットをはじめとする動物の共生の問題について、日本でも消極行政から積極行政に向かって変化の兆しが見られるようになった今、欧米のペット先進国の状況を把握し、将来的課題を共に考え、解決策を探ることには大きな意義があります。このシンポジウムに是非ご参加いただき、忌憚のないご意見を賜りますようお願いし、謹んでご案内いたします。

2002年8月
人とペットの共生を考える国際シンポジウム コーディネーター 吉田眞澄




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