Q&A コーナー
  アニマルウエルフェア連絡会

※お問合せへ、概略のみですがご案内いたします。2008.h20.11.28up
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NEW寄せられた意見
pdf形式17k・モノクロA4・2頁 h20.12.09
●寄せられた情報を掲載 h20.11.28
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NEW板橋区の動物の愛護条例の再考を訴えるプロジェクトh20.12.02


●板橋区「人と動物との共生及び動物の愛護と管理に関する条例」(罰則付き動物愛護条例) の制定について

板橋区ホームページ http://www.city.itabashi.tokyo.jp/
→お知らせ→パブリックコメント(意見)を募集します。(平成20年11月22日)
人と動物との共生及び動物の愛護と管理に関する条例の制定に向けて
 意見の提出:平成20年12月5日必着

■右の画像「広報いたばし・11月22日号3面」PDF版は
→広報いたばし→広報いたばし目次(最新版)→11月22日号 PDF版
→添付ファイル* 平成20年(2008年)11月22日号3面
(PDFファイル 474キロバイト)↓
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_kurashi/015/attached/attach_15417_3.pdf


【なぜ新たな条例が必要なのでしょうか?
 その前に人と動物との共生や動物の愛護と管理について…】
 現行の法令等、例えば国の動物愛護法や狂犬病予防法(但し略称)、東京都動物愛護条例(同)や動物愛護管理計画(同)などにそって、板橋区が極めて適切な執行や実行に努めていながら、人と動物との共生や動物の愛護と管理に関係して、動物による区民の生命、身体及び財産に対する侵害を、合理的な理由に基づいてもなおかつ防止できないとき、法令等を超えない範囲で且つ法令等にない事項を区条例などで定めるものと思われます。

【過去の事例を参考に…】
 現在の動物愛護法では、動物取扱業登録制ですが、法改正まではワンランク緩い届出制でした。しかし東京都条例では法令よりも厳しい登録制を以前から決めていました。その後の同法の登録制度は、都条例の前例をうけたものともいわれています。
 動物愛護管理計画では、事業者の社会的責任の徹底も推進計画にありますので、このような事例に従う場合に、板橋区では動物取扱業の許認可制度を取り入れることも可能です。

【法令を超えた不適切な措置の事例…】
 狂犬病予防法の、人の生命を奪う恐れの有る狂犬病対策をスライドして、ねこなどの愛護動物を捕獲して致死処分する措置が、自治体の一部では長期にわたり執られていました。近年は少なくなりつつありますが、「保健所で動物を処分してくれる」などの思い違いを今でも耳にします。

【行政不作為とは…】
 法令等を確実に執行していたら防げた事態が、実行や執行のおろそかさを原因にして防げずに支障の出るときなどに「行政不作為が原因」などといわれます。徘徊する犬に人の赤ちゃんが襲われた係争で、狂犬病予防法を執行しなかった行政不作為の認められた事例がありました。


 法を超えた措置などと、区政不作為などの判断の元になる法令などに基づいて、今板橋区にはなぜ新たな条例が必要なのか?を考えます。

【参考のホームページ・法令などの一部】

動物の愛護及び管理に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S48/S48HO105.html

動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針
(平成18年10月31日環境省告示第140号) [PDF 40KB]
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/guideline_h181031.pdf

動物愛護管理基本指針の点検(進捗状況)について
http://www.env.go.jp/council/14animal/y140-23/mat02.pdf

東京都動物の愛護及び管理に関する条例
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kankyo/aigo/horeishiryou/houki/files/jyourei.pdf

東京都動物愛護管理推進計画
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2007/04/70h45100.htm

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律
http://www.env.go.jp/nature/intro/

「人と動物との共生及び動物の愛護と管理に関する条例の制定に向けて」板橋区の計画案 板橋区計画案に想定される問題点
 近年、動物の飼養に伴うにおいや騒音等の紛争や、散歩の際のふん尿の始末や猫の無責任なえさやり等のマナーを巡るトラブル等が増加しています。
 区では、動物の飼養等に伴う紛争を未然に防止すると共に、良好な環境と近隣関係を保持するため、新たに条例の制定する準備を進めています。
 荒川区の条例案と同様に、動物の保護や管理の法令等の枠を超えた、基本的な部分への疑問が指摘されます。同法令などは、所有者や占有者(以下所有者等)のほか、取扱者など(以下、所有者等と取扱者を含めて、飼い主とします。)の、命ある動物への適切な保護管理責務などを決めており、原則として動物に対する飼い主の責務違反などを違法として戒めています。
 板橋区の基本の考えは、飼い主責務履行の程度が生活環境侵害に及ぼす因果関係の証明責任が、生活環境侵害を訴える側にあるとする民事上の人と人との係争と同じです。一般的に行政は民事介入をしないとされています。
 板橋区では、犬の登録件数が年々増加しています。区で扱っている動物の登録制度は犬だけですが、登録制度のない他の動物についても同様に増加しているものと思われます。  狂犬病予防法で登録違反と鑑札票の装着違反はそれぞれに20万円づつの犯罪ですが、板橋区に限らず登録の割り合いは半分程度といわれています。鑑札の装着は統計すら出ていません。どちらも逮捕のできる犯罪です。区政は犬の飼い主責務の徹底を目的に、同法の適切な執行を行えます。
 登録に関しては、特定外来生物法(但し略称)などを根拠法令に、生態系に影響を及ぼす動物の登録を区条例で定められます。既に河川敷などで飼い主のいないフェレットが見つかるなど、愛護動物に限らず、緊急迅速な飼い主管理が求められます。
 犬の飼養数について、現在は10頭以上の場合、化製場法で許可が必要となっていますが、住宅密集地においても適正に飼養できる頭数に抑制することを目的として、新たに屋外で5頭以上飼養する場合に区長の許可を必要とすることにします。  動物取扱い業などから市場に出される愛護動物は年々増え続けています。多頭飼養の原因は必ずしもペットの持ち主に限りません。事業者の形態なども影響しています。海外の法令では、犬に年間2腹以上出産させる者を事業者とする(仏)などのほか、繁殖事業者と販売事業者が兼務してはならない(独)、陳列販売の禁止などやそのほかの仕組みで、適正な飼育者数と動物の流通量のコントロールを図っています。
 事業者の社会的責任と、ペットの飼い主との適切な関係づくりを、板橋区独自の措置で行えますが、この条例計画に事業者などへの規制は一切ありません。
 動物の飼養に起因する周辺環境の保全を規定し、適正な動物の飼養について、より強い指導ができるようにします。  板橋区において、動物愛護法第3節 周辺の生活環境の保全に係る措置 第25条の執行事例の頻度と、区の計画する「より強い指導」との整合性はとれているのかどうか?法令の罰金20万円を超える罰則を新たに規定し、より強い指導をするのでしょうか?
 屋外で行動する猫にえさを与える場合には、不妊去勢手術の実施に努めるとともに、えさの後片付け・ふん尿の処理を義務付けることにより、周辺地域の生活環境を保全するとともに、猫を好まない住民の飼い主のいない猫に対する理解を促進することとします。  冒頭の考え方と同様に、飼い主責務履行の程度と、生活環境侵害の事態、との因果関係の証明責任が、生活環境侵害を訴える側に必要とされる民事上の人と人との係争と同じに思われます。屋外で飼い猫にえさを与える場合と、飼い主などのいない猫にえさを与える場合とは、権利と義務の関係が大きく異なります。
【詳しくは|飼い主などのいない猫|←クリック】
 動物にマイクロチップを装着するなど自己所有であることが明らかになるような措置を講ずること。  動物が自己の所有物である効果的な表明方法は、外観から判断可能な装着物などであり、マイクロチップやGPSなどは、所有者の有り無しに係わらず、動物の固体を対象にする識別の方法であることから、愛護動物の飼い主などの任意の判断で行うべきであり、外来生物と異なり、特別に条例で取り決める必要を思いません。
 犬・猫の所有者は、繁殖することにより飼えなくなるおそれがある場合、および猫を屋外で行動できるような方法で飼う場合には不妊・去勢手術等の措置を講じなければなりません。  犬やねこの繁殖制限は動物愛護法でも定められていますので、この条例案の違反者には罰則があるものと思われます。そうだとすれば、犬やねこに限らない愛護動物や、事業用などに繁殖させらながらやがて余剰動物とされる動物や、既存の生態系を侵す外来動物などにも範囲を広げるべきと考えます。
 屋外で猫に餌を与える者は、餌を与える猫に対し、不妊・去勢手術等の措置を講じるよう努めなければなりません。また、与えた餌の残りやふん尿の処理を行わなければなりません。 【詳しくは|飼い主などのいない猫|←クリック】
 所有していない猫への給餌行為を、民事でも飼い主の証明としていませんので、飼い猫以外の外猫への給餌をもって、飼い主の義務を強いる権限が役所にありません。但し、役所は給餌の結果に対する管理の措置を適切に行わなければいけません。
 屋外で犬を5頭以上飼養しようとする者は区長の許可を受けなければなりません。許可を受けた者は、飼養施設を衛生的に保つことなど基準を遵守しなければなりません。  頭数制限の根拠が不明ですが、飼い主等から見放された犬の保護や管理を、命ある動物の擁護の思いで行っている場合や、一方では販売やそのほかの事業に用いられる取り扱い業者などから手放された、余剰犬などとされる場合では行政措置の規制も異なります。前者に規制は慎重であり、後者には厳しい制度が思われます。

 区長は動物の飼養などに起因して周辺の生活環境が損なわれている場合で一定の条件を満たす場合にその事態を除去するための措置をとるよう勧告することができます。

 区長は、犬・猫の繁殖防止の措置を講じない場合、猫への適正なえさやりを行わない場合、犬の散歩禁止区域で散歩を行った場合あるいは犬の多頭飼養の許可を受けた者が基準を遵守しない場合は、勧告を行います。

 勧告に従わない場合は、公表または命令します。命令にも従わない場合は、罰則を適用します。

 板橋区に事実関係を問い合わせていませんが、動物の愛護及び管理に関する法律の第3節25条で周辺の生活環境の保全に係る措置を執行できるにも係わらず、独自の罰則付き条例を定める計画には、何らかの具体的で不具合の事態の発生している事情を思わざるを得ません。例えば「荒川区 野良猫 餌やり 罰則付き条例」のような特別な事態が生じているのかどうなのかの情報は届いていません。(但し、h20.11.28現在のAWN連絡会宛)
 板橋区の条例案で計画されているさまざまな事態への適切な措置や要綱は、法令や都条例などを根拠にし、多少の裁量を駆使しながら執行し、改善できるものと思われます。
 この条例計画のすべてが一般飼い主を対象にしています。法令や都条例の見直し計画でも、一般飼い主に動物を供給する分野などへの規制強化や、動物を使役目的で使用する分野などへの規制と共に、一般の飼い主責務もテーマになります。
 この条例計画は一般飼い主だけを対象としていますので、敢えてなぜ新たな条例が必要なのか?その合理的な理由が見つかりません。


 「犬・猫の繁殖防止の措置を講じない場合」については、原則として犬は全頭登録制のため飼い主の繁殖制限義務違反の処罰と理解されます。法令では原則として取扱業も除外されませんが、取扱業に繁殖防止違反の罰則を適用する場合の遵法の立証が可能かどうかについての疑問が残ります。
 「猫への適正なえさやりを行わない場合」については、飼い主のいない場合と思われます。「適正なえさやりを行わない処罰」に、繁殖制限手術や環境保全が条件になっている場合には法令等を超える、あるいは民事介入の疑問が生じます。【詳しくは|飼い主などのいない猫|←クリック】

 




2008.11.(無断転載はご容赦ください。)

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