人と動物との関係を考えるイベント情報 


 2006.平成16年10月13日(金) 12時15分から、東京海洋大学講義室で、飼い主のいないねこ問題を解決するためのシンポジウムが行われました。主催は地域ねこを推進する港南地区住民の会と大学のほか、みなと区所管のコーディネートなどです。NPOねこだすけが、パネルとプロジェクターを使い講演しました。


当日の学内で。昼食中の学生さんと、学内のねこ。
※画像は学内スナップの合成です。にゃんこが次第に、お弁当ににじり寄って…。


大学からは、急きょ学長さんも壇上でご挨拶。続いて第一部の講演をねこだすけが担当。「地域ねこ」基礎知識の解説。(上の写真・プロジェクターの機材一式を大学が準備。)

第二部はパネルディスカッション。
 地域ねこという対策方法を具体的に推進するためのさまざまな質問や意見のほかに、流石に学生さんならではの、純粋素朴な疑問がありました。

●「生態系を思う時、野良ねこに人が手を下す対策に反対。もっと抜本的根源的な解決が必要。」
●「動物に繁殖制限手術を施す方法に反対。」

 まさに現代の地域社会や大学構内で「地域ねこ」を必要とする根幹についての疑問でした。

※人と動物との適切な関係づくりを思い行う時、「人の役にたち、人の為に働く生き物」と、人の行いの源に有る「動物=モノ」と位置付ける原則を抜本的に見直されなければならない、とする考えも生まれ始めています。
 新しく作られた「外来生物法(略称)」もその一つと考えられ、日本固有の生態系保全を目的に、動植物の伝来などやそのほかについて、さまざまな規制を盛り込んでいます。「人の役にたち、人の為に働く生き物」であっても、ある種の動物については、人が国内に所有してはならないことやそのほかです。
 生態系の抜本的な根源では、生態循環の定めに従い、歴史をひも解くとヒトも生き物も共に棲みました。哲学的な究極の関係では、互いに餌になるのか、餌にされるのか、などの極論も無視されません。

 古い時代から人の食料貯蔵庫を荒らすネズミ駆除の能力を持ち、また人の命を奪う疫病ペストの撲滅の目的で、あるいは近代では愛玩ペット動物などとして、「人の役にたち、人の為に働いた」愛護動物のねこは、既に人の手から離されながら多数棲んでおり、人の環境にさまざまな影響を及ぼしています。
 これらのねこの駆除や排除を行政力でもできませんし、民間人が行おうとすると、動物の法律に決められた罰則の有る犯罪に触れる恐れもあります。

 また、昭和48年から作られている愛護動物の法律には、多数の動物種の中でも特に「犬」と「ねこ」に限って『飼えないときの繁殖制限手術』が決められています。気持ちの中で「手術に反対」としても、法令順守の措置に背く考えになってしまいます。

 日本では、未だ繁殖制限に法令上の罰則はありませんが、海外法でも様々な工夫をしています。例えばフランスの最近の法令では「年間2腹(2回)以上の繁殖を行う飼い主を動物取扱業とし、強く厳しく規制する。」などで、繁殖行為の規制を強化する目的の段階的なアイデアです。

 捨てねこ違反や、弱らせ、傷つけ、殺すなどの行為は罰則の有る犯罪ですし、一度手にした動物を一生涯飼い続ける法令上の責務などは、これ以上の野良ねこ発生抑止の効果に期待できても、既に棲んでいるねこ対策に、繁殖制限手術以上の効果を期待出来ません。

【参考事例と所感・雑感】●つい数年前にアメリカのある学術誌に始めて公開されたねこのTNR=トラップ・ニューター・リターン(またはリリース)=保護、捕獲・繁殖制限手術・返還

 野良ねこ対策へ、繁殖制限手術の有効性が思われ、数十年も前から我が国でも主に個人レベルで行われていました。しかし実行効果の体系的統計的な資料は極めて少数です。
 数年前にアメリカのTNRレポートが公開され、その実行が脚光を得ました。対称の場所は大学の構内です。

 学術的な文献の作成等にはほとんど縁の薄い市民ボランティアの個別行動とは異なり、大学ならではの実行事例は、今後の生態系の保全などに関して、少なからずの影響を及ぼすものと思われます。

この頁の、ここから下は事前告知の過去ログです。=========

大学の地域ねこシンポジウム
2006.平成16年10月13日(金)
12時15分〜13時50分 入場自由
海洋大学44番講義室 JR品川駅より徒歩
主催:地域ねこを推進する港南地区住民の会ほか
協働:みなと保健所ほか
   
港区ホームページ

芝浦港南地区総合支所ポータルページ

●案内チラシ

サンケイ新聞より
毎日新聞より

讀賣新聞より