アニマルウエルフェア連絡会
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 豊かな自然と歴史に彩られた尾道市。
   小さな命にむごい施策は好まれません。
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 尾道市では、徘徊する犬が多いので、新年度から野犬追放駆除を本格化し、新型捕獲器を購入。などと新聞報道されました。
 「ユネスコの世界遺産登録を目指す住環境と景観の改善を狙い(野犬を追放し)イメージの回復に結び付ける。」などとも報道されています。
 しかし徘徊する犬の駆除を施策にする根拠が、順法の措置に見当たりません。

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経過情報などは入手次第随時更新予定。up'03.4.
(※各々のリンク文より、解説があります。

住民苦情が多いからといって野良犬の掃討駆除はできません。
行政施策の根拠についての疑問。
住民苦情と、野犬追放排除措置実行の裏づけとなる法的な整合性が検討されています。
●全国でも極めて稀な「徘徊犬多頭数発生」の原因追求が望まれています。

ログ集↓ ==================================
県、市ともに、公益性を侵す物体を排除するための合理的措置としています。
7年弱で3000頭もの徘徊する犬が処分されました。
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各動物愛護団体および個人の皆様へ
尾道市野犬捕獲対策について抗議及び要望のご協力願い

不幸な犬猫をなくすネットワーク

 既にご存知の方も多いとは存じますが、先日(2003年3月4日)中国新聞において野犬狩りに関する記事が掲載されました。


 以下はこの件に関して当会が市民生活課に電話質問した際の返答です。



Q.今回の報道では野犬を追放するために捕獲対策費用として228万円を計上しているそうだが、1999年度は518匹、2000年以降も例年400頭以上が捕獲されているということは、捕まえて殺す方法がいかに抜本的解決に結びついていないかということを明白にしている。尾道市では、こういった元を正せば人間が捨てたことが原因で起こる犬猫の問題に対しどのような見解を持っているか、またこれまで市民に対する啓発も含めて根本的解決のためにどのような努力をしてきたのか具体的にお聞きしたい。

A.確かに野犬対策の効果は上がっていない。不妊手術に関しては、これまで広報などで呼びかけたことはあるが、法律なども含めて市民がどの程度認識しているかはわからない。これまで飼い方が悪いとされる人たちのところにも指導に行ったが、聞く耳を持たない人が多く追い返されてしまう。こちらとしてもなぜ飼っているのか疑問だが、そういった飼い主を取り締まるだけの強制力のある法律がないかぎり、現状ではどうしようもない。

Q.以前愛媛県などで野良犬の買い上げ制度が問題となり、報奨金欲しさに自分の飼い犬や、他人の犬まで盗んで保健所に持っていく人間がいたことが明らかになった。無責任な人間の犠牲になった動物たちを保護するどころか、市民にお金を出して捕まえさせるという暴挙は動物愛護法の精神を傷つけるだけでなく、将来を担う子供たちに命の軽視を植え付ける結果にもつながると思うが、捕獲協力をした人に謝礼をだすという報道に間違いはないか。

A.これは全くの誤報。謝礼を出す予定はない。

Q.尾道市ではこれまで野犬の問題を含め、捨てられた犬猫の駆除一点張りの施策に疑問の声をあげる市民及び団体はなかったのか。

A.ほとんどない。多くが危険な野犬を何とかしてくれという苦情だったと思う。今回この件に関してはちらほらメールが来ているようだが、そちらが質問や要望書を出しても返答するかどうかはわからない。予算案が通れば捕獲の準備に取り掛かる予定。


 大まかにこれらの質問を通してはっきりしたことは、尾道市ではこれまで市民に対して動物の遺棄は犯罪であることや、不妊手術の必要性などをほとんどアピールしてこなかったということです。
 殺処分が多いということは、裏を返せばそれだけ市民のモラルが低いということに他なりません。新たな捕獲機購入を検討する前に、不妊手術の助成や徹底した市民への広報活動など、講じる策は幾らでもあるはずです。
 無責任な飼い主を野放しにする一方で、貴重な税金を毎年400頭以上もの犬を処分するために費やす行政の無策に強い憤りを覚えます。狂犬病予防法に基づく野犬の捕獲は尾道市に限ったことではなく、日本全国至るところで行われていることはもちろん承知していますが、可能な対策をすべて講じた末に「殺処分」というやむを得ない選択があるべきです。

 飼い主責任を問わないその場凌ぎの野犬対策に終わりはありません。蛇口の元栓を閉めることなく町のイメージアップと称し、世界遺産登録を目指して本末転倒な施策を繰り返す尾道市に対し、一人でも多くの方が不妊手術の普及啓蒙、法律の周知徹底など、具体的な対策を求めて抗議及び要望書を提出してくださいますようお願い申し上げます。

※ちなみに、尾道の千光寺付近では「捨てることは犯罪」ではなく、「野良犬にエサをあげないでください」という看板が立っています。

尾道市HP ここ をクリック
市政への提案 ここ をクリック尾道市役所市民生活課
(084)825-7111

広島県HP ここ をクリック
県政への提言 ここ をクリック
広島県庁 (082)228-2111

ユネスコ ここ をクリック

郵送宛先は…
〒730-8511 広島市中区基町10-52 広島県庁食品衛生室気付
〒722-8501 尾道市久保1-15-1 尾道市役所生活環境課気付

 広島県と尾道市に宛てた、疑義教示依頼のサンプルレターもあります。その主な内容は、行政不作為に起因して、多数の犬を徘徊させてしまった結果、犬の捕獲駆除を施策とする、裏づけとなる法律が見当たらないことに関する疑問です。加えて、事態の解決に向けてのアイデアです。

【広島県と尾道市に宛てた、疑義教示依頼サンプルレター(.pdf)の解説】


 全国の各地では、狂犬病予防法や、野犬掃討条例のほか、野犬駆除綱領などに基づくなどと錯角しながら、愛護動物の犬の駆除(抑留致死処分)が実行されています。

 狂犬病への感染を防がなければなかった古い時代から、さまざまな経験を積んで長い月日が過ぎました。

 現在、犬は愛護動物といわれる人のために働く犬や、愛玩動物と呼ばれる犬などのほか、畜犬業より供される犬や、実験に供される犬、海外などからは畜産皮革に供された犬など、さまざまな状態で犬の飼養や保管がされています。

 犬が野犬などとともいわれていた過去の歴史を振り返りながら、犬を野犬やノイヌなどと呼ばなくてもよいようにするために、人間が果たさなければならない役割などを厳しく定めた、犬の飼養や保管についての法律の整備も行われました。

 野犬などと呼ばれる犬を発生させないために、地方自治体などが計画して行えることはたくさんありますから、法律がきちんと実行される法治国家の我が国には、野犬はいないはずなのですが・・・。

 いないはずの野犬に対しては、掃討条例も駆除綱領もいらないはずですし、狂犬病予防法では、「所有者」が特定されていることを前提にして、所有者に対して狂犬病を発生させない方法の一つに、「所有者がいても徘徊する犬」の抑留という規則も決めました。
 全国各地では、この規則を錯覚して読み間違い、「生まれながら徘徊する所有者のいない犬」も、捕獲人以外の者を使って抑留し、予防員の裁量を超えた致死処分にしてしまっています。

 行政は法律に従ったさまざまな計画を行うことができますが、法律にない計画の行えないことを憲法でも決めています。

 野犬やノイヌを発生させないための法律などが地方自治体などにより、適切に実行されなかったこともうけて、やはり生まれながら所有者のいない犬も生息しています。しかし、それらの犬もやはり法律上、命あるものであることにかんがみる愛護動物として定められ、人との共生に配慮されるなどということも、法治国家の我が国の法律に定められています。

 人間が、野犬などを発生させないために、なさなければならない人間の果たす役割を、すごく具体的に定めた犬の飼養や保管についての法律の整備が行われて以来、本来ならば野犬などはいないはずですから、現在では野犬などの駆除を行える法律も原則的にはありません。
 にもかかわらず野犬掃討や、野犬駆除綱領を定めている地方自治があることは、法治国家としてもすごく不思議な事実です。

 ならば、それらの愛護動物に対して、人間はどのように接するべきなのでしょうかと?という大きなテーマが生じますので、動物の愛護管理法には、それらのことに対する解決策が盛り込まれています。

 適正な終生飼育・繁殖制限・犬のしつけトレーニング・けい留・放し飼い禁止・他に方法がないときに探すこともできる、譲渡先・地方自治体などは、引き取った犬に生存の機会を与えるように努めなければならないこと・これらやそのほか、引き取った犬を殺さないで一生涯飼い続けるための計画を、地域行政も計画して行うことができます。これらが、民間と協働して行えることも法律に書き加えられています。

 行政が、法律に即した実行や執行をいき届かせなかったために、法律の目的や基本原則が果たされずに、人に対する侵害などを発生させた原因をさして、「行政不作為」ともいう場合があり、野犬などを発生させたことも同じです。

 行政不作為が原因で、野犬などと呼ばれることになってしまった犬を、簡単に致死処分にできる法律はありません。
 野犬などと呼ばれることになってしまった犬に対しても、生存の機会を与えるための行政措置を、地方自治体などが行うことは、法治国家ならでは可能です。
 同じ県内では、野犬や捨て犬違反などを発生させないことを目的の看板も作られました。こちらは、法に従った計画の実行です。

 県や市は、野犬の駆除計画を「狂犬病予防法の措置」とする見解を示しています。しかしその法律はすべての犬の駆除を目的にしていません。犬の「所有者」が、所有する犬を狂犬病に感染させないことを原則にしているため、徘徊する「犬」を対象にしたものではなく、「犬の所有者」を対象にしています。そのため、従前より「所有者」の認められない犬を抑留できる条項が、この法律にはないのです。

 ・・・おおよそ以上のことなどを、ある種の国家資格などを有する地域行政執行官ならではご理解いただけることを願いつつ、通常では多少分かりにくい法律条項文章なども用いて作られたのが、.pdfに加工されたサンプルレターです。


アクロバットリーダー、ダウンロード用サンプルレターは…
(A4版4頁16k)↓↓↓
http://www.dobutu.net/pdf/onomiti.pdf

サンプルレターやその他のご意見、郵送宛先は…
〒730-8511 広島市中区基町10-52 広島県庁食品衛生室気付
〒722-8501 尾道市久保1-15-1 尾道市役所生活環境課気付


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動物の愛護及び管理に関する条例の制定に際しての草案は、
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尾道市ホームページ 広島県ホームページ

さまざまな事項について|解説の頁

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【解説】遵法による適切な動物愛護管理のポイント
●動物が命あるものであることにかんがみ、人との共生に配慮すること
●終生飼養(動物の一生涯に渡り飼い続けること)
●繁殖制限(飼い続けられないときには繁殖をコントロールすること)
●適性飼養(生態、本能習性生理を理解し、感染症の知識を持つこと)
●譲渡(やむを得ず譲るより他に方法がないときに限り適正な終生飼養者を求められる)
●遺棄罰則(動物を捨てる行為は犯罪・罰金実刑)
●衰弱虐待罰則(飼い主が動物を衰弱させるなどの虐待は犯罪・罰金実刑)
●殺傷罰則(動物を傷つけ、殺す行為は犯罪・懲役、罰金実刑)

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