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参考資料:メールマガジン配信記事より一部転載引用

 沖縄県では、旧・動管法ができる前の昭和39年に旧・林野庁が裁判所に回答した文書に基づき「法に準拠しない恐れの極めて高い措置」が進められようとしています。

 県の自然環境保護対策に民間機関が関わったとされる事例では、保護されるべきとする野鳥を補食する疑いのある野良ねこを「ノネコ」と呼んだ上で掃討駆除する措置を方法論にとりあげています。しかし、昭和48年以来のねこは飼い主の有無に関わらず保護動物(現・愛護動物)とされています。法に従うと、野良ねこからの侵害を抑止するためには、野良ねこを発生させないための事前の措置などを、行政が適切な実行方法で行えることになっています。みだりにねこが増えるのは、行政の長期間におよぶ不作為或いは職務をおろそかにしたことが原因ともされます。これらの理由から、ねこが自然環境を侵害する恐れがあるからとの訴えに基づき、法律の施行以前にさかのぼった文書を基準にして「ノネコ」と呼ぶことには合理的な整合性がみられません。

 また、動物愛護法上ではねこの捕獲に関して定めていませんが、ねこを捕獲する際の態様やその後の処置等が、愛護動物のねこに関する罰則規定等に触れると判断されています。つまり、ねこの愛護或いは保護及び管理を目的にしながら、極めて慎重且つ適切な方法で保護及び捕獲を行わない場合には殺傷、遺棄、虐待などの罰則が適用されることがあります。

 野山で生活するとされるねこへのなんらかの施策をせまられている沖縄県は、先ずその前に野良ねこの発生原因や実数のほか、ねこの行動学などの学術的で専門的な調査をしなければなりません。それらの、学術的で専門的な調査を踏まえた上で、これ以上野良ねこが人の作用によって増えない方法を取り入れることができます。また、今、野良ねことして生きているねこにも、ねこの寿命に配慮しつつ、みだりに増えない措置を、飼いねこなどと同じようにとることも可能です。
 自然環境から、又は人々から、ねこが及ぼすかも知れない侵害苦情が行政に頻繁に訴えられなくともよい程度の、人と動物との共生のバランスを保つことは既に試みられている地域もあります。例えば東京都の「飼い主のいない猫対策」や全国に広がる「地域ねこ計画」などです。

 これらは、ねこの本来の習性に関わるものです。ねこの限られた狭い範囲のテリトリーに於いて、ねこを殺したり、移動させたりしない方法の適切な措置を実行し解決できるという事例が既に認められています。小さな狭い地域で、ねこと人が共生を図れる適切な対処方法が見つかり次第、その同じ方法を他の地域でも随時場所を移して行えるという、公益性に配慮された比較的容易な野良ねこ対策方法を、県は計画し推進することができます。



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