Q&A コーナー

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中央環境審議会野生生物部会移入種対策小委員会中間報告に係る意見の募集
「移入種対策に関する措置の在り方について」
移入種対策小委員会中間報告案

■意見の提出方法
 http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=4391#i
 文書(郵送、ファクシミリ又は電子メール)を11/5日(水)(必着)までに
 下記の意見提出先まで提出。氏名、住所、電話番号を明記のこと。
■意見提出先
   〒100-8975 東京都千代田区霞が関1丁目2番2号
   環境省自然環境局野生生物課
   FAX  :03-3504-2175
   E-mail:inyushu@env.go.jp

●環境省ホームページhttp://www.env.go.jp/

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「移入種殺処分反対キャンペーン」についての趣意書を転載いたしました。
テキスト入力間違いがある場合などにはご容赦ください。
もっと詳しいホームページ 
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移入種・外来動植物の大量殺処分・駆除を招く、
野生生物保護基本法・移入種対策法に反対します
●○○○●○○○●○○○●○○○●○○○●○○○●○○○●呼び掛け団体
雲仙被災動物を救う会(長崎)
動物たちを守る会ケルビム(沖縄)
愛護動物の適正飼養を徹底する会(愛知)
賛同団体
アニマルウエルフェア連絡会
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 現在、自然保護団体・学術研究者を中心に、移入動植物の殺処分・駆除事業が進められています。今後制定が予定される「野生生物保護基本法」「移入種対策法」は、数多くの深刻な問題を含む極めて危険な法律です。罪のない存在の大量殺処分を合法化し、自然界への介入思想を広め、倫理観の崩壊を招く基本法・移入種対策法に反対します。

基本法・移入種対策法の問題点

移入種・外来種の大量殺処分を招く基本法・対策法

 基本法案【基本原則】では、移入種(外来種)を「種の存続に支障を及ぼすおそれがある」として、生態系保全への「適切な配慮がなされるものとする」と定めています。今日、「生態系への配慮」とは、移入種の殺処分を意味します。現在マングース、猫、台湾猿、山羊、アライグマなどの殺処分事業が、全国各地で日々実施されています。

 基本法は、自然保護関連法のいわば憲法として制定されるもので、これまで法の網をくぐり抜けて行なわれてきた不正な殺処分事業を反論の余地なく合法とします。そして基本法の理念に従って制定される移入種対策法は、これまでよりはるかに大規模に組織的に、残酷な事業を具体的に実現するものです。先に発表された外来種2000種リストは、今後いかに多くの生物種が隔離殺処分・駆除の対象となるかを示しています。

すべての動植物を殺処分・駆除の対象とする基本法・対策法

 移入種対策は一般に外来野生生物種の対策と見られています。しかし現実には一般の人々が想定する範囲をはるかに超えて様々な動植物が殺処分・駆除・隔離拘束の対象とされます。

1、自然界に生きるすべての外来動植物。
2、人が移動させたすべての在来野生動植物。
3、飼養者・栽培者の手を離れたすべての動植物。
4、上記すべての子孫・混交種

 熊本県の阿蘇野生ニホンザル(2-4の事例)、沖縄県の猫駆除事業(3の事例)、和歌山県の混血ニホンザル(4の事例)などは、基本法・移入種対策法がすべての動植物の脅威となることを示しています。

科学的観点を逸脱する生態系保全理念

移入種排斥を目指す「生態系保全理念」は、科学的・論理的観点を逸脱しています。生態系とは、現実の自然の営みを示すものです。今日の生態系保全理念は、現実の生態系からその構成生物を除去して、過去の生態系を作り出す行為を「生態系を守る」と呼ぶ誤謬に陥っています。現実の生態系を否定するこの観点は、個人的価値観の産物です。自然保護とは、人間の自然への配慮を欠く行為を抑制する行為です。動植物は単に移動させられたのであり、自然の法則に対立して存在するものではありません。人間の行為のみが自然に対して侵略的に作用し得るものです。私たちは移入種を含めた現実の生態系の中に、自然界の崇高な営みを見出します。自然を形成する力が、移入種の生存を支えているのです。移入動植物菌類は、現実の生態系を形作る、場合によっては均衡を保つ欠くことのできない構成要素です。基本法・対策法は、多数の個人的偏見によって、現実の生態系を破壊する非倫理的法案です。生態系保全理念から出発する移入種の定義、遺伝的撹乱概念、種の混交概念、捕食否定概念等々は、理論上そのどれを採っても科学性を示すことが困難です。学術研究者は根拠なき移入種の害悪を並べ立てます。マスコミの学術研究者への盲目的信仰が事態の悪化に拍車をかけています。科学的説明責任を果たすことが不能となる理念を用いて政策を形成することは極めて不当です。

倫理的正当性に欠ける移入種排斥思想

 基本法案が用いる「種の保存」「生態系の保全」「生物多様性の保全」などの自然保護理念は、保全の手段として、障害となる生物の排除を正当と見なす排斥思想を含んでいます。「多様性」とは、異質な存在を受け入れることで成り立つ概念です。自然界を構成するかけがえのない生命に優劣を付け、不利益な存在を排除し、殺戮する自然保護理念の危険性は今日、殺処分の対象が生物に限られることで人々の目から覆い隠されています。しかし生物を対象とする移入種排斥思想も、対象を人間とすることでその残酷性が露わになります。合衆国各州による移民法・断種法、ドイツ優生断種法・民族分離法など、障害を持つ人々の安楽死事業を含む欧米各国の優生排斥政策、我が国の優生排斥政策による悲劇の歴史は、偽りの生物学が主張する排斥思想を、無防備に社会が受容する危険を示しています。

自然の支配と介入を計る自然保護理念

 基本法【前文】は、「野生生物がかけがえのない財産として我らと我らの子孫に信託された」と法案の基礎となる考え方を述べています。しかし、いかなる根拠と権限により自然を人類の「財産」と見なし、また誰からどのような経緯で「信託された」と考えるのか、合理的な説明を示す必要があります。人間は自然の営みの結果として存在しています。人間は自然を必要とするにしても、すでに創造の結果として存在する自然界の要・不要を決する権限はありません。自然界の営みの価値を、人への奉仕の度合いによって測る非科学的姿勢、支配観念が示す利己的姿勢は、自然界の一部を自分たちの価値観に従って抹殺できるのだとするあからさまな選民思想です。

 今日、自然保護・動物保護運動、マスコミ、行政は、自然界の自立した崇高な営み、動物の生命と苦痛への配慮、他者の尊重すべき権利に関してまったく思慮を欠いています。その結果、諸権利(自然の権利・動物の権利・人権)の軽視と、物質界(鉱物・植物・動物・人間)への操作・介入思念が現代社会を取り巻いています。この生命・遺伝子、核への介入を許す自然界の改変思想こそ、現代の深刻な社会問題-生物・化学・核兵器の開発、遺伝子操作、クローン実験、動物実験、生体実験、障害者排斥運動、民族浄化運動を産み出すものです。

基本法の危険な構造

 基本法【国の責務】【地方自治体の責務】では、移入種殺処分のための「総合的施策の策定と実施」を義務付けています。従って政府は、殺処分計画を「野生生物保護基本計画」として定め、地方自治体はその意思に係わらず事業を実施しなければなりません。しかもその責務は行政機関に留まらず【国民の責務】として、行政の実施する事業への国民の協力を義務付けています。そして【法制上の措置】として殺処分事業に税金が大量に投与されます。この法案は、殺処分行為を国民に強要し、排除思想を社会に定着させるものです。

本来の問題点をないがしろにする基本法 

法制化により改めるべき、自然破壊と並ぶ、野生生物の保護を阻む現在の重大な問題点は、以下に挙げられます。

1、特定鳥獣保護管理計画、移入種根絶政策、保護増殖事業に見られる排除と干渉を容認する殺処分政策。
2、有害鳥獣駆除、危険動物駆除などの適切な対策をないがしろにした殺処分政策。
3、実験利用、展示利用、娯楽(スポーツハンティング)利用などの、生態に配慮することない利用・殺処分の容認。


 移入種根絶政策と並ぶ、現在最も恐るべき自然保護政策は、「特定鳥獣保護管理計画」です。この政策は、これまでの暴力的殺処分政策を、より計画的学術的政策として位置付けるものです。単に殺処分が問題となっているのではありません。自然界への計画的支配の正当化が問題なのです。私たちの緊急の課題は「特定鳥獣保護管理計画」の廃止です。そして「殺処分事業」における、@被害原因への対策実施を制度化すること、A殺処分の禁止・制限を定めること、B問題が生じた際に殺処分を回避する制度を創設することは、直ちに法制化すべき政策課題です。


移入種問題の誤認に基づく移入種対策とあるべき人への対策


 今日の移入種対策は、移入種問題の誤認に基づいています。自然保護運動は排斥主義に基づき、外来種の国内への持込・侵入の除去、国内種の移動の除去、そして移入種の除去を目指します。しかし、移入種問題の本質を理解するならば、これらの排除政策は皮相な価値観に基づいていると理解できます。移入種問題の真の原因は、人間の自然界への侵略行為、動物への暴力行為にあります。移入種問題とは、人間の行為に関する問題です。従ってその解決は、第一に被害者の救済に、第二に原因となった人間の行為への対処に、第三に問題への対処に求められます。

一、被害者の救済
1、遺棄等で身寄りを失った飼養動物の、生態に配慮した終生飼養体制を確立すること。
2、すでに定住した野生由来移入動植物への干渉の防止・生息地の保全を図ること。

二、原因への対処
1、海外・国内の野生動植物への干渉を防止すること。(捕獲、輸入、売買、飼養等の禁止)
2、飼養動物の適正飼養体制を確立すること。(飼養免許制度の導入、指導・監督体制の確立)

三、問題への対処
1、放置が危険な動物の、原産国への返還又は生態に配慮した終生飼養体制を確立すること。
2、生活被害が生じる場合の、防除対策・繁殖防止対策等の被害防止体制を確立すること。

 個々の問題への対処は、問題の本質に応じて、またその動物の生態を考慮して、個別に検討されなければなりません。移入種問題を産む原因となった野生生物の無放縦な利用に対しては禁止と制限を定め、飼養動物の遺棄に対しては遺棄者特定体制の確立、不適正飼養者の飼育禁止、没収と保護体制の確立など、「動物保護法」による生態に配慮した野生生物との係わり方の確立、飼養動物の適正飼養方法の確立は緊急の課題です。そしてこれらの政策はすべて、動物の権利を尊重する観点から形成されるのでなければなりません。その観点を欠く政策形成、例えば適正飼養から漏れた遺棄・放棄動物等の殺処分は、再び深刻な社会問題-国民の精神的荒廃-を産む原因となります。

 現在、移入種の様々な危険が自然保護運動によって取り沙汰されています。危険な存在への排除・抹殺の欲求は、人間の本能に基づきます。しかし、罪がなく抵抗できない存在への暴力は、理性を欠く利己的行為です。自然保護・生物学は、人間の中に根源的に存在する自己防衛本能に巧に働きかけ、学術的衣装・市民運動の衣装をまとって人々を扇動し、剥き出しの利己心を無制限に社会に解き放つものです。人間が自ら招いた危険な存在に対し、ただ暴力的に向き合うことしかできないとすれば、人間であることの存在意義が失われます。今、人間の尊厳が問われています。

自然保護運動がもたらす破壊

言語と理念の破壊をもたらす基本法

 基本法は【目的】を「国民の健康で文化的な生活の確保」と定めています。自然を人間生活を豊かにする手段と見なす基本法案を「野生生物保護法」と呼ぶことはできません。また、「野生生物の保護」を「野生生物の種の存続に支障を来たす要因を除去すること」と【定義】し、移入種等の殺処分を保護と言い替えています。さらに、「共生の理念に基づきこれを保護することが我らに課せられた重要な責務である」と述べ、殺処分・排斥行為を共生理念に基づくものとしています。基本法は言語を汚し、道徳理念を破壊するものです。「本が焼かれるところでは、人間もまた焼かれるのだ」とはドイツ優生排斥政策における焚書を批判する言葉です。移入種排斥政策における理念の破壊は、生命の破壊もまた伴うのです。

法と他者の権利を破壊する基本法

 野生生物の「保護」を目的とする基本法は本来、日本国憲法同様、対象となる存在の擁護すべき基本的権利を定めるのでなければなりません。それによって野生生物は人間の非倫理的行為から守られます。法律とは、悪いことをさせないためにあり、悪いことをさせるためにあるのではありません。罪のない野生生物の生存の権利を奪い、殺戮の合法化を計るために「法」を用いることは、法を踏みにじる重大な不正行為です。

偽りの動物福祉理念

 著しい苦痛を伴う殺処分方法が平然と採られる今日の状況では、【基本原則5】に見るように、残酷な殺処分方法の制限は重要な観点です。しかしそれは、不当な殺処分を制限する姿勢を持ってはじめて福祉に留意するものです。この法案に見るように、創案者自ら率先して野生生物を不当に選別し、不当に排斥し、殺処分を推進するのでは、その後に、あるいは関連法でいくら殺処分方法を制限したとしても、動物福祉に留意するものではありません。

自然保護運動に見る精神的荒廃現象

基本法を運用に委ねる危険

 基本法から派生する具体的政策と運用は、現在の野生生物政策の実権を握る人々が決定します。その人々とは、日々殺処分を進める自然保護団体、学術研究者、自然の権利法律家、環境省などです。従ってこの法案の具体的政策と運用は極めて残酷なものになります。自然保護団体は沖縄県の身寄りを失った猫に関して「猫は愛護動物として法律によって守られているが、野良猫は愛護されていないので愛護動物とは言えない。従って殺してもよい」と語っています。身寄りを失った存在を見て、地上から抹殺したいと感じる不健全な精神が見られます。人間精神の荒廃現象が我々の社会を蝕んでいます。「動物の愛護と管理に関する法律」の運用は本来、児童福祉法同様、遺棄された動物も保護すべきものです。自然保護団体による法律の運用の仕方は、法の公正な運用を逸脱するものです。

社会問題解決に逆行する基本法の無責任な姿勢

 マングースとともに捕獲された沖縄県の身寄りを失った猫は、幸いにして移入種根絶に反対する地元の団体に引き取られました。養育費の困窮の中で、救われた猫たちは命を永らえています。本来、排除を主張した自然保護団体が養育責任を負うべきものですが、自然保護団体は「我々は殺処分を主張しているので養育責任はない」としています。他者の生命に対する甚だしい軽視が見られます。この精神こそが移入種問題を生む、野生生物の保護を阻む真の原因です。不正を行なう者が富み、弱者に手を差し伸べる者が困窮する社会であってはなりません。救済する者の権利が尊重される社会でなくてはならないのです。自然保護関係者は「移入種問題は人間が起こした問題なので、人間が責任を持って移入種を排除すべきである」と冷淡に語っています。人間の利己的行為悪が移入種問題を生み出しています。悪の結果として私たちは被害者を見出します。加害行為は救済行為によって是正されます。移入種問題における人間が果たすべき真の責任とは、被害者としての移入種の救済なのです。地上に存在するすべてのものの権利を尊重することではじめて、私たちの社会は正義を実現することができます。人間の行為を原因とする結果に対しては、人間自ら犠牲を払い償うことが、社会問題解決を図る唯一の道なのです。

2003年8月13日


問い合わせ先
〒859-2203 長崎県南高来郡有家町尾上4388-14
雲仙被災動物を救う会 今井 真
TEL・FAX 0957-82-1121
●○○○●○○○●○○○●○○○●○○○●○○○●○○○●



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宛先は・・・
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●環境省ホームページhttp://www.env.go.jp/で、パブリックコメントが募集されます。

●「移入種殺処分反対キャンペーン」についての
もっと詳しいホームページ 

ご注意 ※趣意書の「基本法」と、日本では確立されていない「動物基本法」とは異なります。



2003.10.(無断転載はご容赦ください。)

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