参考資料

レクスプレス紙(スイス)2002/11/27付

  スイスの動物愛護団体SOS CHATSは長年に渡り毛皮産業界と闘ってきた。
しかしながらいかなる毛皮もというわけではない。その多くが信じ難いやり方で虐殺される犬と猫の毛皮に対してである。
 
 1999年、団体代表トミとエリザベスは、アジア諸国における犬・猫の虐殺行為についてドイツ人ジャーナリスト、マンフレッド・カーマン氏がまとめた資料を通して、この問題にスイスの人々の関心を向けさせるよう努力していた。2002年11月、スイスのテレビ局がドキュメンタリーフィルムを放映。それは血も凍るような悲惨なものであった。
  この放送後、SOS CHATSはアガ・カーン卿夫妻のベルリブ財団、マンフレッド・カーマン氏の設立したアニマル・ネットワークと共同で署名を集めることにした。彼らの目標は100万の署名を集めることとしている。署名者は今後一切毛皮を買わない、そして身に付けないことを誓うものである。

 

HSUS(The Humane Society of the United States)資料より

HSUS/HSI、そしてドイツのフリージャーナリスト、マンフレッド・カーマンの1年半に渡る水面下での調査により、毛皮産業の醜い秘密が明らかとなった。それは衣服・アクセサリー・装身具などを生産するために行われる、コンパニオンアニマル−ペットである犬や猫たち−の虐殺である。
 調査員たちは手がかりを辿る内、中国やその他アジアの国々で犬や猫たちが無残に虐殺される様を目の当たりにすることとなる。見つけ出された事実は我々に衝撃を与えた。動物たちの多くは、冷たく不衛生な繁殖施設内で、みじめな環境の中育てられる。野良犬・野良猫もいる。中には明らかにペットだったと見受けられる犬・猫もいて、おそらく盗まれたものと思われる。そして殺害方法は非常に残酷である。犬たち−ジャーマンシェパード、チャウチャウ、そして雑種−は棒で殴られるか血を抜かれて殺される。猫はたいていワイヤーで首を絞められる。
 調査によってわかったことは、こうした犬・猫の毛皮はフランス、ドイツ、イタリアなどの国々に輸出され、衣料品、アクセサリー、装飾品に加工される。そしてできあがった製品はアメリカを含む世界の国々へと輸送されていく。

これらの事柄は全て、国際的毛皮産業界においては珍しいことではなく、トラバサミなどの罠の使用をサポートし続けている。そしてまた、ケージの中で育てられ、非人道的に殺される何千万という動物たちの死の責任を負っているのだ。

今我々は、何百万もの犬と猫の死に対しても、毛皮産業は責任があるのだということを知った。こうした虐殺行為は反道徳的であるため、産業界は誤解を招くようなラベルを用いて真実を隠蔽しようとしてきた。事実、毛皮生産者が調査員に語ったところによると、彼らは犬や猫の毛皮のコートの価値を高めるためであれば、いかなるラベルでも縫い付けるというのである。

  犬・猫の毛皮:その真実

      毎年何百万もの犬や猫が、その毛皮のために殺されている。

1枚のコートを作るために、たいてい10〜12頭の犬が殺される。子犬の毛皮であればそれ以上である。猫の場合はコート1枚につき約24匹が殺される。

     毛皮産業界は製品の材料に関して消費者を欺いている。

ほとんど例外なく、犬や猫の製品のラベルには、犬や猫の製品であるとは表示されていない。代わりに虚偽の、もしくは誤解を招く表示がされている。例えば犬製品はソバキ、アジアンジャッカルなどであるとして売られていることがあり、猫の製品にはワイルドキャット、ゴヤンギなどたくさんの仮の名がある。

      毛皮を取るために動物を殺す手段は残酷である。

動物たちをその毛皮のために殺す方法はどれも非人道的である。時間をかけた窒息死、失血死、首吊り、撲殺などの粗暴なやり方で、犬・猫たちは犠牲者となる。生きたまま皮をはがれることもある。こうしたやり方は全て、ひどいトラウマと長引く苦痛を犬と猫たちに与えるのである。

      犬と猫の毛皮はヨーロッパとアメリカへ売られている。

犬と猫はまず1つの国で殺され、他の国で毛皮になり、完成品は世界各地で売られる。アメリカで売られている犬・猫の毛皮の主な用途はロングコートではなく手袋、帽子、おもちゃ、その他アクセサリーなどの飾りである。アメリカの主要な小売業者の店舗で、HSUS調査員は「モンゴル犬の毛皮使用」とラベルに表示されているジャケットを見つけた。毛皮部分のDNA鑑定によると、それは普通の犬(CANINE)のものであった。

      アメリカの法律には毛皮産業を取り締まる効果はない。

家庭犬・猫を使用した製品につけるラベル表示について特に規定している毛皮製品表示法は、150ドル以下の毛皮製品は除外している。この抜け穴は、犬・猫の毛皮がアメリカ毛皮市場へと流入する大きな入口を作っているのだ。その上、捕獲された動物およびケージ繁殖された毛皮用動物の製品を含む野生動植物の輸出入統制の役目を担っている米国内務省魚類野生生物局には、犬や猫などの飼い慣らされた動物を使った製品を検閲したり取り締まることは求められていないのである。

 

あなたにできること

      毛皮、毛皮を使った飾り、アクセサリーなどどんな毛皮製品も買わないで下さい。

      合成またはフェイクファーのものを探して下さい。こうした製品の生産の過程では動物が苦しめられることはありません。

      毛皮製品(毛皮で縁取りされたパーカー、毛皮のついた動物の置物、猫用の毛皮付きおもちゃなど)を売っている店に、それらの商品を販売しないよう頼んで下さい。

      毛皮取引によって犬や猫が受けている本当にむごい仕打ちについて、他の人々に話して下さい。

      立法機関に犬・猫の毛皮の商取引を禁止するよう、働きかけて下さい。

      毛皮産業界が世界的に行っている、毛皮を利用される動物の搾取についてもっと知って下さい。

      HSUSのサイトwww.hsus.org. にある調査レポートの全容とビデオをご覧になって下さい。